夢への一歩
色々ありましたが高校卒業後の進路も無事決まりました。
これから始まる世界に夢も膨らみつつ、
あとひとつ重要な手順が残っていました。
両親に報告すること。
ともみは卒業後の進路を一度も両親に相談せずに決めていたのです
いつからか覚えていませんが、
彼女は小さい頃からごく自然に、
「一日も早く自分の力だけで生活できるようになる」と思っていました。
決して家族と折り合いが悪いとか、
居心地が悪いから家を出たい、ということが理由ではなく。
幸い、姉も彼女の考えに似ていて、(さすが姉妹)
卒業後家を出る話をしたら一緒に住んでくれることになりました。
これ幸いと実家から近い隣の市にアパートも決めて。
親に話す段階ではほぼ事後報告ばかり。
ここまでやるとは思ってもみなかった父親は、
「全部決めちゃったのか・・・」
とビックリ仰天。
反対しようにもここまで決まっていたら止めようがない、
とあきらめがついた様子。
実は、こうなる事も想定内。作戦大成功です!
こうして、計画通り高校卒業後は親元を巣立ち、
姉妹で暮らしながら洋菓子店に弟子入り生活がスタートしました。
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洋菓子店での修行は大変な事もあったけれど、
大好きなお菓子の仕事だから楽しくて、気付けば2年目を迎えていました。
そんなある日
一緒に住んでいた姉から
キッチンカーの売却先を探している人がいる、という話が舞い込んできました。
姉妹の似ている所は
チャレンジ精神が旺盛なことと、
新しいことに興味が湧くフットワークの軽さでした。
案の定、興味津々になったともみは
姉とお金を出し合い、キッチンカーを購入。
近くの公園で週末だけ移動販売を始めました。
いざやってみると、売り上げが天候の良し悪しで大きく左右されたり、
予想売上を立てて仕込みをしても、
想像以上に客が多くて人数の把握が難しかったり。
新しい発見が数多くありました。
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勢いで始めた移動販売でしたが、
自分の作ったものを
目の前の人が嬉しそうに食べてくれる。
お菓子を作ることが楽しい、
と思った自分の原点を思い出しました。
このことがきっかけで、
いつしか姉と自分たちの店を持ちたいという夢が芽生えていったのです。
(・・・ソヨソヨ・・・サワサワ‥‥)
(・・・タイセツナコトヲオモイダシタンダネ・・・)
(・・・ソウダネ・・・コレモヒツヨウナミチダッタンダヨ・・・)
(・・・マタイッポ、ワタシタチニチカヅイタネ・・・)
つづく
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