新たな師
私は思い切って
今の気持ちをマーク氏に打ち明けました
このことを切り出すこと自体も失礼なのかもしれません
けれども、マークはカウプと親しい関係でもあったし
もしかしたら話を聴いてくれるかもしれない・・・
チャールズ・カウプ氏の弟子、クムレフアのクラスを受けたい
そう告げるとマークはこう尋ねました
「彼女から何を学びたいんだい?」
ペレなど古いフラの事を知りたい
正直に答えると
彼は怒り出すどころか親身に聴いてくれ、
こんなアドバイスをくれたのです
「俺はフラを敬愛しているんだ
だけど周囲から異端児だと言われている
なぜかというと、俺は古いフラのままでは、もしかしたら
新たにフラをやりたい人がいなくなって
文化を継承する人がいなくなるかもしれない
そうなることが俺はすごく寂しい
だから、若い人たちが見ても
「かっこいい!」と思うフラであってほしい
次の世代への橋渡しをしたくて活動している
俺はフラの家系に生まれてないから
幼少期からフラもやっていないし
フラの細かい古典的な所作や知識も知らない
だから大好きなフラで知ったかぶりをして
嘘の古典フラを踊ることは冒涜することだしそれだけは避けたい
だから俺は浅慮で神話を踊らない
新聞で分かる系列の歴史の中で
(元々フラは文献で記録される前から口伝、直伝で継承されてきた遥かに長く古い歴史がある。
それに比較してマークは自分のフラは新聞を用いて文字に記される=歴史の短さを比喩している)
この時はこういう風に戦っている、
船を漕いでいる、
と俺の中で見えている動きを表現している
俺は斬新だと言われるかもしれないし、
異端児だと言われるかもしれない
俺は積み重ねて来たフラの伝統を持っていないし
俺は新しいパフォーマンスを作ってきた自負がある
俺はフラを愛してくれる人がいてくれればいい
と思ってパフォーマンスしているんだ
古典を深く知りたいなら俺には教えられることはないから、
大元の所に行けばいい
ペレなら○○だし、カラカウアなら○○だし、カメハメハなら・・・
(各地域に長けている系列がある)
だからよく考えていきなさい」
こうして私は
マーク氏に快く送り出され、
2017年からチャールズ・カウプ氏の弟子
クムレフア氏のもとに入門することになりました
夢で聞いた「カウプ」の言葉が
まだ先の未来へと繋がっていたとは
この時の私はまだ何も知らずにいました
(つづく)
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